

人前での行為に対して著しい不安や恐怖感を抱く患者さんは、症状について積極的に周囲の人へ相談しない場合もあります。家族や親しい友人だとしても「そんなことが知られたら恥ずかしい」「意見を発表したら笑われるかも」という気持ちを抱きがちなものです。
このように内面を隠すための頑張りが続くと、本人がどんなに苦しくても周りにはなかなかその苦しさが伝わらず、症状がますます悪化したり、「うつ病」や「パニック障害」等、別の精神疾患を引き起こしてしまう場合もあります。

まず、第一にSADに悩む患者さんには、共感の姿勢が大切です。
相手に対し「少しおかしいかな」「ちょっと悩んでいるのかな」と思う点があれば、「ねえ、恥ずかしいのでしょう」とダイレクトに指摘するのではなく、「○○な時、人に見られるのはツライよね」と共感を呼ぶ会話を心がけてください。
自分の悩みを共感してもらえると感じれば、悩みを隠すことなく相談をよせてくれるでしょう。回復への第一歩は、周囲の人への信頼と相談から始まります。
「自分ばかり悩んで、辛い思いをしている」と孤独感にさいなまれることのないように、サポートしあえるように接していくことが大切です。
たとえば、恐くて電話に出られない人に対し「こんなのは『慣れ』です。真っ先に受話器をとって慣れてください!」と無理を強いるのは逆効果です。病気に対する無理解はさらなる悪化を呼び込みかねません。恐怖感による回避行動は、決して「怠け」ではないからです。
SADに悩む患者さんがプレッシャーを感じずに社会生活を送れるように、家族であれば「話を聞いてあげる」「休日の行動を無理強いしない」、学校や会社の友人であれば、「朝礼時等に人前で話をさせない」「食事の同席を強要しない」等、患者さんが負担に感じる状況を作り出さないようにしてあげてください。
医療機関での受診を始めた方は症状が少しおさまってくると、「楽になった」「副作用が恐いから」との理由で、自己判断によって薬の服用をやめてしまうことがあります。しかし、こうしたことは病気の回復の妨げとなるばかりか、症状の再発や「うつ病」等のさらなる病気の呼び水となりかねません。医師の指示に従ってきちんと薬を飲むように、周囲の人がサポートをしてあげましょう。









